禁煙内服薬(チャンピックス)を用いた禁煙指導を行います。
しかし、薬剤は万能ではありません。
あくまで禁煙するという強い意志が必要です。
予約は必要ありませんが、初回のみ終了1時間前までに受付をお済ませください。
チャンピックスは3ヶ月間服用し、
計5回の通院を要します。
精神疾患をお持ちの患者様はチャンピックスの服用が可能か精神科主治医とご相談の上、ご来院ください。
A. たばこの害にはすぐに現れるもの(急性効果)と長年蓄積して現れるもの(慢性効果)があります。
急性効果は喫煙直後に心臓や血管に出現します。喫煙すると心臓や血管の負担が大きくなり、脈は25%、血圧は15%上昇します。一本吸う度に心臓はいたみ、内臓の機能は低下します。
慢性効果で全身の色々な病気が引き起こされ寿命が縮みます。特に問題になるのは心臓病とガンによる死亡の増加です。心臓病は煙の中でも特に一酸化炭素やニコチンなどによって引き起こされる動脈硬化が原因です。
図1を見て下さい。日本人26万人を12年間追跡調査した結果です。たばこを吸わない人に比べ吸う人は心臓病の死亡率が高く、本数の増加と共に死亡率も増大します。一日50本以上吸う人では2.8倍の高率になります。たばこの煙の中にはきわめて多くの発ガン物質が含まれ、全身のガン死亡率が上昇します。
図2を見て下さい。15年間追跡調査した結果では、吸わない人に比べ全身のガン死亡率が上昇しています。特に高濃度の発ガン物質に曝される気道や消化管のガン死亡率が増大しています。男性では喉頭癌は32倍もの高率となっています。
たばこの害は健康だけに留まらず経済的な損失も重大です。健康保険財政の厳しい今日において医療費の抑制 は社会的要請です。喫煙による医療費増加額と火災損失額の合計はたばこの税収をはるかに上回ります。
A.
本当です。たばこの煙には吸い口から吸われる主流煙と、たばこの先から立ち上る副流煙があります。
図3は主流煙と副流煙の中の有害物質の量を比べたものです。多くの有害物質は主流煙より副流煙に多く含まれ、非喫煙者の体内に進入します。
図4は妻の肺ガン死亡率を夫の喫煙の有無によって比較したものです。
夫が吸わない妻に比べ、夫が吸う妻の肺ガン死亡率が高くなっています。夫が20本以上吸う妻は2倍以上の死亡率となります。これは喫煙者が近隣の非喫煙者を傷つけていることを意味します。
A.
たばこの中のニコチンに依存性があるためです。たばこを吸いたくなるのはこのニコチンを欲しがるためです。
医学的には、たばこを吸うことすなわちニコチン依存は麻薬や覚醒剤中毒と同じと考えられています。
禁煙は治療行為なのです。
A.
喫煙者はニコチンが切れると禁断症状が出現し、いらいらや集中力の低下が見られます。
喫煙により禁断症状が緩和され能率が上がったように感じますが、禁断症状で低下した集中力が正常近くに戻っただけのことなのです。科学的に喫煙者は非喫煙者より作業能率が落ちることが明らかにされています。
A.
禁煙は薬物中毒の治療という側面を持っています。漫然と始めてはうまくいきません。
以下の禁煙十箇条に注意して挑戦して下さい。
禁煙に自信のない人や過去に禁煙に挑戦して失敗した人は、禁煙外来を受診すると良いでしょう。